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小下村塾/投球の仕方--自分で発信!

静岡大学集中講義

1日目(2月12日) 2日目(2月17日) 3日目(2月18日)

リポート・文 | 安田恵子

1日目
2003年2月12日

教室には、大学院生を中心に、15人ほどの学生が集まりました。普段はコンピュータのハードウエアやアーキテクチャについて学んでいて、コンテンツ作りに挑戦するのは初めて、という人がほとんどでした。呼んでくださった堀田龍也先生の言葉を借りれば、「道路や車体の研究ばかりしていて、運転の仕方を知らない」とのこと。「何をやるのかよくわからないけど、有名な人が来るらしいから行ってみよう」「たった三日で単位が取れるらしいぞ」という人が多かったようです。

[1]イントロダクション

まず、下村からこの講義の主旨について説明がありました。「コンテンツを作る人間が、脳細胞をどう使っているのか、この集中講義で体感してください」とのこと。

【ケーススタディ】

下村が十数年前に作った8分間のニュース「減りゆく胴丸型郵便ポスト」を教材にしながら、ニュース作りの過程でこらした工夫について解説していきます。
「減りゆく胴丸型郵便ポスト」は、下村が作った中でも特に"伝導率を高める工夫"が多いもの。(犯罪事件や政治情勢など普通のニュースでここまでやると、視聴者を一方向に誘導してしまいかねません。)コンテンツ作りの経験がない学生にも、わかりやすいサンプルだったのではないでしょうか。

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[2]ラジオ・リポートを作ろう!

ここからの作業は、3人ずつの班に分かれて行います。各班の作品の≪伝導率≫を比較検討するためには、一般の理科の実験と同様、それ以外の条件をなるべく揃えなければなりません。
そこで―
(1)テーマは、時事ネタでないこと。あまり時事性が強いと、その問題についての各班の見解の相違などが影響して、純粋に≪伝導率≫の比較検討がしにくくなってしまいます。
(2)各班が持っている情報量がなるべく揃っていること。このスタートラインに差があると、当然「よく知っている班のリポートの方がわかりやすい」というハンディが生じてしまいます。
―という二条件を満たすテーマとして、最初の課題は、≪「下村健一」について、3分のラジオ・リポートを作ること≫となりました。

【班別ワーク】

まずは、下村の公式ホームページ(本サイト)で、プロフィールなどの基本的な情報を集めます。その後、15分間の「下村健一記者会見」が開かれ、各班の学生達が直接下村に質問をぶつけました。学生からは、「なぜTBSを退社したのか?」「この講義で学生に伝えたいことは?」「なぜ育児休暇をとったのか?」などの質問が出ました。
ホームページと記者会見で得られた情報を元に、各班に分かれてリポートの構成が始まりました。どの班も、初めて取り組む作業に戸惑っている様子でした。「3分間喋るって言っても、どれくらいの内容で3分になるんだ?」「最初の言葉が思い浮かばない…『ニュースの時間です』で始めればいいのかな?」「終わりはどうやってシメればいいんだ?」など、試行錯誤が続きます。

【全体討論】

発表の時間がやってきて、自由に散っていた各班が教室に集まりました。出来あがったリポートをみんなの前で発表します。一つの発表が終わるごとに、下村から構成上のアドバイスが出されました。

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[3]テレビ・リポートを作ろう!(基礎編)

ラジオ・リポートの発表が終わり、窓の外は暮れ始めてきました。予定の時間を大幅に過ぎていましたが、講義は続きます。この集中講義のメインディッシュ、テレビ・リポートの制作準備に入りました。

【ケーススタディ】

神奈川県藤沢市の市民メディア・湘南.TVから作品を紹介しました。友人同士だから撮れるインタビューの力、作り手の「伝えたい」という熱が、テクニックの拙い部分を十二分に補っている作品です。下村いわく、「伝導率を上げるには、いろいろな技法があるけれど、一番大切なのは≪熱伝導≫だ!」これからテレビ・リポートを作ろうとする学生にとって、大きな刺激になったのではないでしょうか。

【班別ワーク】

各班で、テレビ・リポートの題材について話し合いました。テレビ・リポートの発表は6日後。それまでの取材スケジュールなども決めていきます。各班の題材は、以下のようになりました。

  • 1班: 浜松キャンパスのバレンタイン模様
  • 2班: 学生生協隣の床屋について
  • 3班: 「オタクの巣窟」と噂される某研究室の実態
  • 4班: 障害者支援のあり方について

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