小下村塾/投球の仕方--自分で発信!

静岡大学集中講義

1日目 学生のラジオリポートから抽出されるポイント(抜粋)
2003年2月12日 【 ノート2 】
・今から伝える話をポンと出す

学生リポートより:
第一声で「今日は○○についてお伝えします」とスタートした。

このリポートが何について伝えるのか、最初に言っておくと、リスナーは安心して聞いていられる。

・小見出しを立てる

学生リポートより:
記者会見での下村の言葉を引用→補足する、という繰り返しで全体を構成した。

伝えることを小見出しにできたので、リスナーの脳の中に≪情報をしまう引き出し≫の用意がその都度でき、とても吸収しやすかった。

・より具体的に!

学生リポートより:
ほとんどの班が、"この授業の目的"に注目し、下村の「目の肥えた受け手が増えるように…」という話をリポートに盛り込んだ。

授業の目的ばかりに話が集中してしまい、肝心の授業の内容や学生の様子などの情報が少ない。リスナーが授業の内容を手に取るようにわかる、ということが大切。具体的な内容で伝える。

・大事なことから伝える(逆三角形)←受け手も無意識でこの順に聞いている
・幹→枝→葉
・独自の視点は丁寧に

学生リポートより:
冒頭で下村が育児休暇をとったことに触れ、その後、授業の内容や目的について伝えた。

最初に育児休暇について触れると、リスナーに「これは子供の育児やライフスタイルに関するリポートだ」という印象を与えてしまう。この場合、育児休暇の話は"葉"、授業の内容や目的が"幹""枝"なので、伝える順番が逆になってしまった。大事なことから先に伝えよう。

育児休暇について着目したのはこの一班だけ。逆に思いきって、育児休暇を"幹"に据えるような大胆な構成にして伝えてもよかった。独自の視点は丁寧に表現しよう。

・要約は己を無に!

学生リポートより:
下村がTBSを退職したいきさつについて触れるが、事実とは異なる内容に…。

被取材者の話を要約する時は、勝手な解釈を入れず、己を無にすること。些細な言葉遣いでも、被取材者にとっては重大な違いかもしれない。被取材者が「私が言いたかったのはまさしくそういうこと!」と言ってくれるような、上手な要約をしよう。

・着地を決める

学生リポートより:
リポートの最後に、「僕(学生)は個人のホームページを作っているが、不特定多数を意識して作っていなかった。今後、この授業の内容をホームページ作りにも生かしていきたい」とコメントした。

唯一、授業の内容を自分の視点に引きつけた班。慣れないとなかなかうまくいかないが、リポートの≪着地≫を決めるのはとても重要。

・形容詞よりも事実描写で

学生リポートより:
授業の様子を、「真剣な雰囲気の中で~」と伝えた。

「○○な雰囲気の中で~」というのはとても便利な言葉だが、実は何も伝えていない。形容詞よりも、具体的な事実描写で伝えよう。

・「?」と「!」の連鎖

学生リポートより:
班のメンバーが、スタジオアナウンサー役と現場のリポーター役に分かれ、アナウンサー役がリポーター役に質問していく形で進行した。

「?」と「!」が連続していくので、聞いていて飽きない。リスナーの気がそれるのはとても早いので、飽きさせない工夫をしよう。

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