ホーム投球の仕方(表現技術講座)>プロの真似でない「独自の視点」って何だ?

小下村塾/投球の仕方--自分で発信!

プロの真似でない「独自の視点」って何だ?

 理念として言うのは簡単だが、いざ実際にリポートを作ってみようとすると、既存メディアによる"洗脳"の影響は結構根深く、自分の「独自の視点」をストレートに打ち出すのは、意外と難しい。ここでは、『ニュース・アカデミア』の2年4ヶ月の実践の中で浮かび上がってきた独自アングルを、ヒントとして抽出する。
 それは、一言で言えば、"最大公約数"的な丸め方に縛られない、《何でもあり》の自由な視点である。

例1:

権威に頼る情報源
【大人ニュース】
張り巡らされた記者クラブ網がキャッチする“発表モノ”が、重要な情報源。 大事件時のコメントも、既成の権威ある人の発言に依存。それも大事だけれど…。
“巷の専門家”の見解
【学生ニュース】
インターネットで流れている“巷の専門家”の情報に着目!ネットを扱い慣れている強みを発揮し、いい発言者を見つけて、フットワークで会いに行く。

例2:

主流の「見方」を形成
【大人ニュース】
例えば推定無罪の姿勢など、厳密にこだわらず世間の空気を結果 的に誘導。「悪者」を決めたらその筋書きに一本化。
敢えて流れに反する視点を強調
【学生ニュース】
大人の見解は既存ニュースにお任せし、原理原則を教室で習った通 り忠実に体現して見せるケツの青さを敢えて取り出す。

例3:

記者による頭のいい置き換え
【大人ニュース】
自分の筋書きに当てはまるように相手の発言を恣意的に歪めてしまう、効率的な記者の悪癖。その結果、報道を見た当事者は「あ~あ、違うんだよな」と溜息。
愚直に“当事者の声”を伝える
【学生ニュース】
その「違う」部分を、素直に学生が本人に尋ね、匿名電話等で語ってもらう。中途半端に“判って”ない強みで、当事者との共同製作姿勢で一次情報を尊重。

例4:

“政争”(永田町の力学)を伝える
【大人ニュース】
政界の明日を読むには、永田町の力学をフォローせざるを得ない。大物に密着し、本音・建前の使い分けに協力も、必要悪。
“政策”を伝える
【学生ニュース】
「何を真摯に主張しても、“思惑”を勝手に解説される」と嘆く若手気鋭の政治家たちに、ストレートな訴えの場を提供。

例5:

大所高所からの特派員リポート
【大人ニュース】
海外ニュースは、最寄りの支局からその時だけ駆けつけた特派員が概論を語る。
地べたの目線で留学生リポート
【学生ニュース】
現地にいる日本人留学生と、日本にいる現地留学生の“複眼”で立体リポート   

例6:

大事件が起きたらそれ一色
【大人ニュース】
世間のもっとも関心高い出来事を伝える使命から、大事件があればそれに総力投入。
落ちこぼれネタに目を向ける
【学生ニュース】
潰された他ニュースを大人に変わり紹介。特番ばかりじゃビデオ屋に行っちゃうよ。

例7:

最新情報の自転車操業
【大人ニュース】
日々新しく起きる出来事に追いまくられ、過去を振り返りたくても、その暇がない。
通り過ぎたニュースもフォロー
【学生ニュース】
立ち止まれる強みを活かし、「あのニュース、その後どうなったの?」と想起。 

例8:

メジャーな情報のみ扱う
【大人ニュース】
無名な団体・個人の情報など、世間の関心を惹かないからニュースとして不採用。
得意なマイナー分野にも着目
【学生ニュース】
そういう中にこそ、面白い発見や、発想の転換、明日のメジャーの卵が隠れている。