小下村塾/投球の仕方--自分で発信!

静岡大学集中講義

2日目 中間発表で出てきたポイント(抜粋)
2003年2月17日 【 ノート3 】
1班:浜松キャンパスのバレンタイン模様
【 取材現場で 】
表情も大切な情報→顔をしっかり撮る!
 …機材は"即応"が苦手→撮れているか要チェック

中間報告より:
ビデオカメラでインタビューを撮影したが、逆光で顔が黒く潰れ、喋っている人の表情が見えない。

喋っている≪言葉≫ももちろん重要だが、映像メディアでは、喋っている人の≪表情≫が重要な情報になる。「真剣に言っているな」「茶化して言っているな」ということが、表情で判断できる。撮影する時は、自分の目で見てきちんと見えていても、必ずファインダーを見て確認しよう。角度やカメラの絞りを変えれば調節できる。

【 取材現場で 】
余計な物を入れない(雑音・背景etc)
 …機材は"判断"が苦手(何でも同等に拾う)

中間報告より:
マイクが周囲の雑音を拾ってしまい、インタビューに答えている人の声が聞きづらい。

人間の目や耳は、見たいもの・聞きたいことだけに集中するようにできている。しかし、カメラやマイクは全てを同等に拾ってしまう。教室の空調のような普段は気にとめない音でも、録音されるとかなり大きく聞こえる。視聴者にとって邪魔になるものは、あらかじめ丁寧に取り除いてから撮影しよう。

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2班:学生生協隣の理髪店について
【 取材立案時 】
News Value(へーっ)の確認=皆がどの位知っているか
【 取材現場で 】
過去も映像化できる!(写真、記録メモetc)

中間報告より:
理髪店へ取材に行ってみると、一昨年から営業していないことがわかった。店だけは残っているが、働く人がいない。

当初予定していたことが、取材してみたらひっくり返ってしまった、というのはとても理想的なパターン。『もう営業していない』という事実は、知っている人が少なければ、ニュース・バリューになる。どれだけの人が知っているのか調べよう。 過ぎ去ってしまったことも映像化できる。写真、当時の記録など、撮れるものはきっとある。工夫してみよう。

【 取材立案時 】
データの意味性に適した扱いの大きさを考える

中間報告より:
理髪店の存在が学生にどれくらい知られているのか、アンケートをとろうかと考えている。

アンケートをとるのはいいが、アンケートの結果をリポートに盛り込むかどうかは一考するべき。自分達の参考のためにとるのか、アンケート結果そのものがニュース・バリューになるのか、判断しよう。

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3班:「オタクの巣窟」?某研究室の実態
【 取材現場で 】
演技の誘惑に負けるな!
 =良かれ(判りやすく)と思って犯す嘘を自重!!

中間報告より:
某研究室内を撮影。研究室内には、ゲームやマンガ、アニメのポスターなどがたくさんある。撮影しているカメラマン役の学生は、この研究室に入るのが初めて。

[撮影されたVTRより]
  • (カメラマン/研究室に入って行きながら)
  • 「リアクション出来ないっすよ。これ、どうリアクションしていいかわからないですけど。」
  • (ディレクター)「オーッて言って」
  • (カメラマン)「オーッ」
  • (ディレクター)「って感じでもう1回行こうか」
  • (カメラマン/もう一回外に出て、再び研究室に入って行きながら)「オー、オー」

明らかに、2回目の入室シーンの方がわざとらしい。繰り返す程、作りが入ってくるほど、情報としては嘘っぽくなる。文章では隠せるけれど、映像・音声では必ず透けて見える。視聴者をだまそうとか誘導しようとかいう悪意がなくても、より分かりやすくしようという善意がヤラセを生む。芝居は決して打たないこと!

【 取材立案時 】
取材者自身の属性を大切に!

中間報告より:
班の中には、この研究室に所属している学生が一人いる。「オタクばかり」「ヒドイところ」という悪いイメージを覆すような、この研究室のポジティブな面を伝えたいと思って企画をスタートした。

せっかく班の中にこの研究室の学生がいるんだから、その属性をもっと出そう。研究室の学生と外部の学生が、掛け合いをしてもいい。透明人間が作っているような、≪作り手のスタンス≫がないリポートには、訴求力がない。

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4班:真夜中の学校で卒業論文と戦う4年生の様子
【 編集時 】
周到な撮影計画

中間報告より:
4年生が卒業論文に取り組む様子を、今夜撮影する予定。

編集の時間がとても短くなるので、今のうちにリポート全体の構成を決めておいた方がいい。ある程度の構成が決まっていないと、現場で何を撮っていいのかわからなくなってしまう。

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5班:障害者支援のあり方について
【 編集時 】
当人しか言えない事→インタビュー
誰でも代弁できる事→ナレーション

中間報告より:
既に、静岡県西部障害者マルチメディア情報センターへの取材を終えている。センターで働いている人のインタビュー中心に構成しようと思っている。

インタビューとナレーションをうまく使い分けよう。インタビューが長すぎると、どんなに良い内容でも、視聴者は聞いていられない。センターでの支援の内容など、≪説明≫的な部分はナレーションで。なぜセンターで働き始めたのかなど、その人の≪心情≫に関わる部分はインタビューで伝える。

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