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地球環境保護 vs 母の愛
ハンバーガーのお店で、打合せをした時のこと。
「紙ナプキンを掴めるだけつかんで持ってきて、それを全部は使わないで、結局ゴミ箱に捨てちゃうお母さんって、よくいるじゃない?
僕、あれってすっごく抵抗あるんだよね」
「え…?」
思わず、視線を目の前のテーブルに移すと、そこには、山と積まれた紙ナプキンが…。
「必要な分だけ取れば、いいじゃん」
「だって、子どもの分が足りなくなってから、またナプキンを取りに席を立つのも
面倒じゃないですか」
「今は、子どもはいないよ、ここに」
「…ぅ」
ついつい職業病(?)が出てしまった私。確かに、健ちゃんは私の“子ども”じゃ
ありません。なのについ、いつもの癖で、ごっそりと紙ナプキンを掴んでいたのです。
「物は、必要な分だけを使う」という、地球環境保護の観点からすればハナマルな
正論を展開してきた健ちゃんに、労力を惜しみ、少しでも“楽をしよう”とした
お母さん(=私)は、完敗でした。
でも、ほんのちょっとだけ職業病の言い訳を。
「紙ナプキンを取りに行く」そのたった数秒間に、子どもがどんな状況に陥るか
分からないんです。椅子から落ちるかもしれないし、買ったばかりのハンバーガーを
落としてしまうかもしれない。片時も子どもから目を離したくない…そういう
お母さんの愛もまた、地球環境保護と同じくらい大事ではないでしょうか。
とにもかくにも、それから暫くの間、私の鞄の中には、その時の紙ナプキンがずっと
入っておりました。(エリー)