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下村健一の中と外
胸に迫った万感と、果てなき空想?を込めたネーミング
とある日の打合せで、取材先に資料の請求依頼をしていた健ちゃん。
「…よろしくお願いします。資料は、オフィスあん宛に送ってください」
そう言って、電話を終えた健ちゃんに、ふと浮かんだ疑問をぶつけてみました。
「なんで、“オフィスあん”なんですか?」
「へ? あ、ネーミングのこと?」
“オフィスあん”とは、健ちゃんのマネージメントを担当しているオフィスの名前です。普通なら、
お堅い事務所の名称を、餡子(あんこ)みたいなネーミングにはしないもんなぁ。気になればなるほど、
私は、その名前の由来を聞きたくなりました。
よくぞ聞いてくれましたと言いたげな健ちゃんは、胸を張って喋り始めました。
「うーん、まずAlternative Newsの頭文字を取って“AN(あん)”でしょ」
おおっ、オルタナティブ・ニュース!(意訳すると「もうひとつの、別のニュース報道」ってとこかな?)
さすが、健ちゃん。ひとつのニュースを様々なアングルから捉えようと、いつも考えてるもんね。
「これから設立する会社の名前をどうするかって考えたとき、僕はちょうど40歳で。『40歳は“不惑”の年』って言うで
しょ? だから、近所のお“不動”さんに行って考えようと、ひとり散歩に出たわけよ」
なるほど、健ちゃんがニューヨークから帰国した後、最初に住んだのが目黒で、その自宅から程近い所に
目黒不動尊があったっけ。
「で、お“不動”さんの仁王さまの阿吽(あ・うん)でしょ」
ああ、境内の入り口に立っている2体の仁王像の口の形が「あ」と「ん」だったからね。“打てば響く”「阿吽の呼吸」という
意味も、ネーミングで組み込んだのか。深いなぁ。
「おまけに、僕の住んでた目黒区の区鳥が、しじゅうから(四十雀)! もう、やるっきゃないって思ったんだよね。」
いろんな意味や思いを込めて名づけたのねぇ。いや感心、感心。
遠い目をしながら、感慨深げにそこまで語った健ちゃんでしたが、しかし次の瞬間、ふと俯いてこう言いました。
「でも、この社名を聞くと、知り合いは皆、『銀座の馴染みの女性の名前だろ!』って言うんだよね…」
ぎ、銀座ぁ? …健ちゃん、それ、絶対あり得ないから。皆もそれが分かってて、ただ言ってるだけだって。
うーん、「健ちゃん」と「銀座」? なんだか思いっきり雰囲気が合わないような気がして、銀座になんて飲みに行くことが
あるのか、訊いてみました。すると健ちゃん、胸を張って…
「あるよ! (小声で)…みのさんに連れられて」
…やっぱりね、一人じゃ絶対に行けない健ちゃんなのでありました。まぁ、その、なんだ。人間、果てしなく空想するのは自由だもんね、よしよし。(エリー)