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メディアが変える・既存メディアは変わるか
宣言。毎日新聞佐世保発の記事を今後愛読します。
愛娘を同級生による刺殺というショッキングな形で失った、毎日新聞佐世保支局の御手洗支局長は、悲劇の当日のうちに会見に応じた。僕は、同じ年齢の子を持つ父親としてよりも、「いつもこういうときに、取材をする側の人間だから」という理由で記者たちの前に姿を見せた御手洗さんの"筋の通し方"に、心揺さぶられた。
会見の中では例によって、くだらない質問も飛んだ。報道人たる者、視聴者・読者が知りたいことであるならば、時にはどんなに聞きにくくとも、質問しなければならないこともある。しかし昨日の会見の中のいくつかの質問は、一視聴者という立場で僕が見ていても、「それが聞いて欲しかった」ではなく「そんな辛いこと今聞いて欲しくないよ」と思わせるような内容だった。にもかかわらず御手洗さんは、若い同業の質問者をにらみつけることもなく、「私もいつもの立場なら同じような質問をしたでしょうから・・・」と、すべてに精一杯回答していた。
あらゆる情感を抑えて、ここは敢えてドライに言う。今後、御手洗支局長や、その苦悩を間近で見つめる毎日新聞佐世保支局の記者たちが書く記事は、(この事件の報道に限らず)日本一"デリカシー"に満ちた質の高いものとなるだろう。
殺到しているに違いないお悔やみや激励の言葉を、僕は敢えて上乗せしない。代わりにただ一言、御手洗支局長に、毎日新聞佐世保支局発の記事を熱心に待つ読者が今日から少なくとも一人増えたことをお伝えしたい。