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下村健一の中と外

『眼のツケドコロ』は、終わったけど終わらない

2008年10月1日

TBSラジオで続けてきた『下村健一の眼のツケドコロ』が、先週、最終回を迎えてしまった。現タイトルでの第400回の節目を迎えたついこの間までは、予想もしていなかった打ち切りだ。1999年4月11日に始まった前身の「ビッグアップル・リポート」(毎週日曜朝)から通算すると、494回。コーナー名が切り替わる境目で1週ぬけた以外は、年末年始も途切れることなく、 毎週毎週、他メディアのニュースとは一風変わった着眼点で、僕なりに世の中の一隅を照らし続けてきた(つもり)。正直言って、500回どころか数千回は続けたいと思っていたので、残念でならない。でもまぁ、局の上層部が色んな事情で決めた事だから、仕方ない。。

番組MCの中村尚登キャスターや、コーナー担当の若山浩ディレクターなど、スタッフの皆さんは、私の持ち込むわがままなテーマを、いつも寛大に受け容れて下さった。また、講演会や取材先などで、見知らぬ方から「土曜朝は、ラジオで『眼のツケドコロ』を聴いてから、テレビをつけて『ずばッとリポート』も見てますよ」などと、信じられないほど有り難い声をかけて頂いたことも、幾度かあった。更に、バイトの学生諸君から始まって、先代の安田恵子、今のエリー佐藤女史に至るまで、このコーナーを“音声版”からWeb向け“文字版”に加筆・再構成する作業には、本当に歴代多くのスタッフの助力を得た。---これら全ての方々に、この場を借りて、心から申し上げたい。「どうもありがとうございました」!

さぁて、これからどうしよう? すぐに市民メディアか、お誘い頂いている他の大手ラジオ局のどこかで、同名(敢えて挑戦的に、1文字も変えず)コーナーの再開…ということも一瞬考えたけど、ここはちょっと様子を見ることにした。偶然ながらちょうど入れ替わりを狙っていたようなタイミングで、初めての単行本執筆話が進行しているし、更に加えて、まるでこの時をギリギリまで待っていてくれたかのように、最終回オンエアの12時間前に父(要介護度4)が意識不明で倒れて我が家の介護体制再構築が迫られる事態になったり---という大きな変化が、畳み掛けるように訪れているのだ。これは一体、何なんだろう? カルト集団の誘い文句と同じ言葉を使うのは抵抗あるけれど、やっぱり《人生の転換期》が来ているのかも、とか感じてしまう。!

ま、レギュラーで発表するノルマが無くなったって、どうせ僕という人間は、相変わらずメイン・ストリームとはちょっとズレた所に、これからも自然に眼をツケていくんだと思う。別に、偉そうな“べき論”でそうしているわけじゃなく、要するにちょっと変わり者なんだろう。そういうヤツがいる方が、きっとメディアも面白い。次は何に、眼をツケようかなっと!