下村健一の中と外

自分以外、みな教師

2008年2月27日

ボクは、そもそもテレビを見ない生活である。失明して間もなくは、もしくは結婚して間もなくはテレビを鳴らしている時間もあった。けれども最近、 我が家のテレビジョンセットには電気の通ったことがない。そろそろ地デジとかで、我が家の受像機も使用不可能になるそうで、もしかしたら我が家は テレビなし世帯となる可能性が大きい。
盲目であるにせよ、ボクの周囲にテレビのあった時代、『スペースJ』は熱く見ていた。いや、下村健一の登場するテレビは、すべて見ていた。どうして だろう。それはボクが下村健一を好きだからだ。

 「自分以外、みな教師」

そう言うケンちゃんは本当にその生き方をしている。彼は先入観を持たない。偏見を排除する。そして相手を吸収する。であるから事実を見逃さないので あろう。ここで改めて列記する必要のないほど、ジャーナリスト下村健一の業績は公知であるし、顕著でもある。
過去、ボクは全盲のイラストレーターとして、盲導犬使用者として、数多くケンちゃんからの取材を受けてきた。行動を共にしてきた。もちろん下村健一は テレビ世界の住人である。テレビ的に考えるし、テレビ的に構成し、演出する。もちろん視聴率も気にしてる。けれど、彼は事実しか取り上げない。広い テレビ世界で、ボクが彼に注目し、その取材を最高に信頼している理由はその一点にある。(エムナマエ)