下村健一の中と外

毎週手伝って頂いてる“助っ人ライター”のエリー・サトウ女史、最も頻繁に顔を合わせる会社のアシスタント安田恵子など、間近で下村健一を眺めている人々による、赤裸々な(?)目撃記録。持ち上げたり突き落としたり、何をどこまで書かれるか、本人は戦々恐々。

ヒロインにさよなら

2007年10月30日

 前回の『眼のツケドコロ』でご紹介した、劇作家・西森英行氏と下村さんとのトークショー。「歴史を絶対視する心証」というテーマで沖縄戦“集団自決”問題に斬りこみ、30分が瞬く間にすぎる充実のトークになりました。でも実はこのイベントに、下村さんはほろ苦い心の傷を抱えて臨んでいたのです。
下村さんと私は、これまでにも西森氏の劇団『イノセントスフィア』の公演にたびたび足を運んでいました。そこで下村さんは、ストーリーの面白さやテーマの深さにうなりつつ、黒川深雪さんという役者さんに目を奪われていました。しなやかな容姿と、難しい役柄をしっかりこなす骨太な演技力に魅了され、幕が下りた後には毎回「やっぱり彼女はステキだ!」と、少年のように頬を高潮させていたものです。
 ……私は言えずにおりました。彼女が、西森氏の恋人だという事を。劇団関係者の方からずいぶん前に聞いて知っていたのですが……。
 彼女と西森氏との結婚の知らせが届いたのは、トークショーの直前でした。下村さんは愕然とし、西森氏に嫉妬の炎を燃やし、意気消沈してしまいました。一度は「もうトークショー出るのやめる」とまで言っていましたが、そこはプロ。本番ではしっかりとトークをこなしました(当たり前か)。
 西森氏と結婚され、彼女はますますステキになっていかれると思います。だからそんなに落ち込まずに、これからも応援しましょ、下村さん。(やすだ)