世界の目は今、来年早々にも何か起こるのではないかとイラクに向いている。そこで、このコーナーは敢えて、世界の目線がそれてしまった、アフガニスタンに眼をツケよう。
一昨日から、慶應大学の学生3人組が、アフガニスタンの首都カブールから、インターネットでの映像リポートを毎日発信している。今日は、アフガニスタンからの映像をホームページにアップする日本側スタッフ、慶應大学メディア研究所『メディスタ慶應』の加々美陶子さん(文学部2年)に、スタジオにおいでいただいた。
それでは早速、カブールからの映像リポートを見てみよう。
ここには今後の映像ラインアップも掲載されており、現地での収録からおよそ1〜2日遅れでホームページにアップされるようになっている。12/25〜1/3まで、ちょうど冬休み中に映像が配信される予定だ。
−インターネットを使うにせよ、機材には結構なお金がかかるのでは?
- 加々美:
- 我々の経費は、インターネットカフェからの接続代、30本くらいのデジタルビデオのテープ代程度しかかかっていません。
−アフガニスタンにインターネットカフェがあるんですか??
- 加々美:
- 唯一のインターネットカフェがカブールにあって、そこに毎日通っています。
−編集はどのようにしているんですか?
- 加々美:
- 持参しているノートパソコンで、編集ソフトを使ってやっています。
−そもそも、どうして今アフガンに行こうということになったんですか?
- 加々美:
- 現地に行っている3人は、滝谷昇さんという義肢装具士の方に同行しています。滝谷さんは、昨年の春ボランティアで『アフガン義肢支援の会』を立ち上げ、数回に渡ってアフガニスタンに義足を届けています。その一行に、3人が付いていくことになったのです。
−滝谷さんとの接点は?
- 加々美:
- 高橋・末澤・井口の3人が、TBSの『報道特集』でインターンをしていました。ちょうどその時、滝谷さんが番組で紹介されたのを見て動かされ、自分達もボランティアをやりたいということで立ち上がった企画なんです。
−そこに、インターネットでの映像配信をやろうということになったきっかけは?
- 加々美:
- この3人が、せっかく行くのだから行くだけではもの足りない、特に、高橋・末澤の2人は『メディスタ』という情報発信できる場にいるということで、何かを伝えようという動機があったようです。それで、『メディスタ慶應』のメンバーでバックアップし、レポートをする事になったんです。
アフガニスタンに行っている3人の決意も、ホームページには掲載されている。
−加々美さん自身は、どうしてこのプロジェクトに参加なさったんですか?
- 加々美:
- 声を掛けられたとき、話を聞いていて面白そうだと思ったこと、それに、学生という"賞味期限"のなかで、身軽さ、視点を伝えて行ければ良いと思ったのです。
最後に、アフガン出発前日の、末澤君の日記の1節をご紹介しよう。
「撮らなくちゃいけないものなどない。感じたままに心動くままに撮ってみる。これだ!!僕たちの心の揺れ動きに注目あれ!!」
自分達<<でも>>できるリポートではなく、自分達<<だから>>出来るリポート。これこそが、市民メディアの真骨頂と言うべきだろう。
3人の学生さんの帰国報告は、1月中旬にもBS462ch「BSアカデミア」で、また、1/12午後1時からは、『メディスタ慶應』ホームページでの生中継も行われる。