2001年最後の眼のツケドコロは、この1年お伝えしてきた話題の「その後」。他のメディアとは違う話ばかりに眼をツケている結果、当然ながら続報も他所では流れないので、ここでしっかりフォローもしなければ!
※各話題の第一報については、この画面一番下の「バックナンバー」で訪ねて下さい!
【1】『チルドレンズ・エクスプレス』(2月3日&7月28日放送)
82年ピュリッツアー賞ノミネート、88年エミー賞受賞など、大人メディア顔負けの活躍をしてきた米国本部が、資金難で閉鎖に! 今、米社会は経済の失速で、NPOなどに対する寄付金が減っており、その煽りを食ってしまった。日本支部も、まだ国内基盤が弱く、米国本部からの資金援助に頼っていた為、8月末で一旦事務所を閉じざるを得なくなったが、参加していた8〜17才の子供記者達の一部は、なんと、その後も東京で『ボイス』というグループを作って、自主的に活動を続けている。そんな1人、梁田桜子さん(6年生)と電話で話した。
−今は何を取材して、どこで発表しているの?
- 梁田:
-
- 約10人のメンバーで、主に、共同通信社をベースに活動を続けています。今はアメリカのテロ事件について取材をしていて、元チルドレンズ・エクスプレス米国本部の子供達や、世界各国の子供達に、「事件についてどう思っているか?」ということを取材しています。
−取材をしていて、何か発見はありましたか?
- 梁田:
- 一番心に残ったインタビューは、アメリカの女の子に聞いた時のものです。「今のアフガン難民の人達に何が必要か?」という質問をしたとき、当然「食料」などの答が返ってくるものだと思っていたのですが、意外にも「アメリカは怖い国ではないことを伝えたい」ということを言ってきたのが、心に残っています。
−空爆などの攻撃ばかりが「アメリカ」という国ではないよ、ということを訴えたい、という事ですね。 来年に向けては、どういう取材を続けていきたいですか?
- 梁田:
- 今年は、教育についてを多く取材したのですが、来年は、ジャンルにとらわれずに色々なことに挑戦していきたいと思っています。例えば、地域で頑張って色々な団体を作っている人達を取材したいと思っています。
一方で、旧「チルドレンズ・エクスプレス」の大人の理事だった人達の中で、新年にこの団体を再建して、日本独自の財源でやり直そうじゃないか、という動きも出ている。こちらは、子供記者募集なども一からやり直す、ということなので、2002年は、独立した「ボイス」と復活する「エクスプレス」、両者に期待したい。
【2】ブルキナファソの幼稚園で頑張る友井直子先生(4月7日放送)
青年海外協力隊員として、アフリカ・ブルキナファソの幼稚園に派遣された友井直子先生が電話出演してくれた後、番組リスナー(『ピアノランド』著作者の樹原涼子さんなど)から絵本などの寄付をドッと頂いた。それを船便で送ったところ、直子先生からこんな礼状が届いた。
From: "naoko" To: "下村健一さん"
Sent: Saturday, August 25, 2001 2:19 AM
Subject: 絵本が届きました。
> ご無沙汰しております。ブルキナファソの友井直子です。
>
> さて、このたびはたくさんの絵本をお送りいただきありがとうございました。
> ラジオのリスナーの方からなのでしょうか??
> どれも挿絵が可愛らしいものばかりなので、きっとこちらの子供たちも大喜びすると
> 思います。
> 今はバカンス中ですが、9月半ばに新学期が始まりますので、そのときに持っていこ
> うと考えています。
>
> ラジオの放送後、出演を知らせていなかった知り合いからも『偶然聞いていて驚い
> た』『家族が聞いていて慌てて聞いた』などと思いがけない人から連絡があり、とて
> も驚いています。公共電波の力はすごいものです。
> 放送を聞いて不用品などを集めて送ってくれる人も多く、ありがたく思っています。
> 今回送っていただいた絵本も含め、大切に使わせていただきます。
その後、10月から、直子先生は現地での幼稚園先生2年目に入った。今年度は、首都ワガドゥグの中の3つの幼稚園を巡回、子供の数は400人以上! こうやって地球上の色んな所で、色んな日本人達が、実は地道に頑張って活動しているのだ。
【3】岡山県・金浦小学校「マスメディア探検隊」(10月20日放送)
テレビを"観察"して、どうやって番組を作っているかを分析した上で、「自分たちでも作ってみよう!」というワクワクするような授業。下村が現地を訪れた際は、第1次完成品の発表会の段階で、エラそうにアドバイスもして来たが、その後の授業はどう発展したのだろうか。高橋伸明先生と、電話で話した。
−生徒どうしの活発な議論をテープで聴かせて頂きましたが、下村が伺って邪魔ではなかったですか?
- 高橋:
- とんでもない! やはり専門家の方にアドバイスを頂くこと自体が大変なモチベーション・アップに繋がり、その後なかなか見応えのある展開になりました。まず、下村さんにアドバイスを頂いた「伝えたいことは何か、そのためにどんな工夫をしなければいけないか」という視点でビデオ作品を修正していきました。完成後は、インターネット上でストリーミング配信したり(⇒http://nob-taka.press.ne.jp/)、地元のケーブルテレビでも、もう放送してもらいました。
−来年度は、どんな授業を作っていくプランですか?
- 高橋:
- 今年度は60単位時間ぐらいの時間をかけ、5・6年生合同で行い、有意義なことはたくさんありました。ですが、これを普及させていくには取り扱いが少し重すぎる、という実感も得ました。金浦小だけではなく、周りの小学校にも広げていきたいとは思っているのですが、このテーマを扱うには本当に"視点"を持った方でないと難しいと思います。来年度は、試みとして、《国語》・《社会》・《総合的学習の時間》にうまく分散させてやっていこうと考えています。
【4】ボランティア・グループ『日本緊急援助隊』(10月27日放送)
アフガン空爆を巡って、自衛隊派遣の是非ばかり議論されていた当時、「もっと違った形の"ショウ・ザ・フラッグ"=国際貢献が、日本には出来る!」と力説していたケン・ジョセフさん。実際その後、同援助隊のメンバーがアフガン入りした。
放送後、番組での呼びかけに答えて、アフガン難民キャンプに持って行く寄付の品物が殺到し、ケンさんが近所の郵便局に4〜5回も呼び出されたほど。現在は、「大量に集まった物資を運ぶ資金のカンパが欲しい」と訴えている。
【5】『金曜芸能/報道される側の論理』(11月3日放送)
この本の担当で電話出演して頂いた山中登志子さんに、その後大きな動きがあった。山中さんご自身が、この本の出版母体である「週刊金曜日」からこのほど退社され、これからはフリーで活動していかれるという。一つの区切りとして、「週刊金曜日」8年間の在職期間中に、編集者の立場から取材相手に出した口説きやお詫びの手紙を一冊の本にまとめて、『編集者からの手紙』と題して近く出版するとのこと。(現代人文社) これは、面白い本になりそうだ!
【6】『ユニークフェイス』ハンドブック出版(12月22日放送)
いよいよ来月NPOに認証される見込みとなり、それを記念しての大説明会が、来週土曜(1/5)に東京で開かれる。飯田橋セントラルプラザで、午後2時から。当日の飛び入り参加も、可能とのこと!