下村健一の中と外

テキサスの熱いバースデー

2007年7月29日

さきおとととい(木)、行政vs住民のあるトラブルの取材で、福井県にいた。一昨日(金)は、中越沖地震関連取材で新潟県にいた。で、昨日(土)は徹夜編集明けで朝『サタデーずばッと』に生出演した後、すぐ成田空港に直行し、乗り継ぎ有りの長~いフライト(もちろんエコノミークラス)で、米国南部テキサスの州都オースティンまでやって来た。そして今日、47回目の我が誕生日を、同市郊外の安宿の部屋で、1人迎えた。まったく、いつまでこんな無茶を続けるんだか…。

この町には、ある日本人女性と米国人男性の夫妻が暮らしている。不妊に悩んでいた夫妻は去年、念願かなって日本から1才の女の子を養子にもらった。この子は、実母の生活上の事情で、誕生前から養子に出される方針が決まっていたのだが、いざ生まれてみると、心臓に穴があいていた他、色々と外見上の特異性や病気の疑いを抱えていて、養親候補だった日本人夫婦に引き取りを断られてしまった。その後、手術で心臓の穴はほぼ塞がったが、日本人の養父母が決まりかけては「やはり病気が不安」とキャンセルされる---の繰り返し。ところが、4番目の縁組チャレンジとなったこの米国カップルは、いとも軽やかに「病気なら、私達が治す」と答えて、大喜びでこの子を養子に迎えた、という。

僕らが今日訪ねると、女の子はもう2才になり、無邪気に走り回っていた。身体の状態は今も決して万全ではないけれど、両親はとことん明るい。「健康不安を抱えたまま養子にすることに、少しも迷いは無かったの?」という僕の無粋な質問に対するパパの即答の言葉は、我々取材班の心を打った。(あとは、8月11日の『サタデーずばッと』で!)

面倒だった国際養子の法的手続きも間もなくやっと完了し、彼女は晴れて正式に「マリーナ」ちゃんという名前でこの家族の一員になる。日本名は、「万里波(まりな)」。万里の波を越えて、日本からやって来た彼女は、今、両親に無上の幸福をプレゼントしていた。会う者全てを幸福な気持ちにする魔法も持っていた。---おかげで僕も、胸まで熱い誕生日となった。サンキュー、マリーナ! また遊ぼうね!