『Show the Flag!』日本緊急援助隊、動く

放送日:2001/10/27

昨日(01/10/26)、参院外交防衛委員会が、テロ対策特別措置法案と自衛隊法改正案を可決した。そんな中、「自衛隊派遣とは違った形での国際貢献が日本だからこそ出来る!」と主張し、現実に行動している市民団体がある。その名は『日本緊急援助隊』(JET)。代表のケン・ジョセフさんが、スタジオで熱く語った。

ケン:
日本緊急援助隊は、今回の米国テロ事件発生以来、現地の日本人に対し、事件直後の情報提供、現在でも死亡証明手続のサポートなどをしている。事件後にCNN、BBCなどで連絡先を放送してもらったところ、電話は1000件以上、HPのアクセスは200万件を突破した。既にパキスタンにもスタッフが3人行っており、来週次のチームが入る。

―自衛隊ではなく一般人を、となると、現実に行きたい人はいるのか?と疑問が出るが…。

ケン:
行きたい人はたくさんいる。現に今回のテロ事件後に、我々の所だけで380人もの人がニューヨーク行きを希望したが、治安上の理由から断られた。日本緊急援助隊のボランティア登録者は、若者中心に700人以上。89年のサンフランシスコ地震救援以来、もう56回もボランティアが世界各地に飛んで救援活動をしてきた。行きたい人は多いがお金がないから行けないだけ。日本政府は湾岸戦争のとき実行したように、民間飛行機をチャーターしてボランティアをタダで運んでくれれば、たくさんの市民が現地へ行けるのに。なぜ前例を踏襲しないのか。

―しかし、この状況下で一般人が現地に行くことは、危険ではないか。

ケン:
逆だ。軍人が行くから、危険なのだ。諸外国の一般人も、『片方で爆弾を落として片方で救援する』という姿勢は現場で歓迎されない。でも日本は違う。中立だから、喜んで受けいれてくれる。湾岸戦争で難民キャンプに支援に行った時、現地の人に『日本って素晴らしいですね』と言われた。『法律があって戦争が出来ないらしいじゃないですか。私たちもいつか日本みたいになりますから』。…現地で《物資》以上に必要なのは、《希望》。日本の若者の『50年前は日本も同じように空爆にやられて何もなかった』という言葉は、何よりも現地の人らに希望を与えた。
日本は、こういう《特別な国》なのだ。なぜ今《普通の国》になろうとしているのか…。

―では、日本の一般人が現地に行って、何が出来るの?

ケン:
具体的に出来る活動は、いくらでもある。例えばどんな救援現場でも、物資はあってもそれを仕分けする人が不足する。これに専門技術なんていらない。また専門技術者、例えば医者などは医療活動のみに専念できる環境が必要。包帯1枚運ぶ手伝いだけでも、そういう雑事に医者自身が時間を割かれずにすむようになる意味は大きい。被災地で、やる事が無いなんてことは有り得ない。

「私も何かやりたい!」という人は、(ホームページ=http://www.jhelp.com 電話=03-5780-1111)日本緊急援助隊まで。
また物資の寄付なども、同隊で受付中。現在は毛布・テント・コメ・寝袋・粉ミルクなどが不足しており、また国際電話を頻繁に使うので未使用テレホンカードの寄付なども非常に助かるとのこと。

―最後にひとこと。

ケン:
自衛隊が現地に行くと、『中立』という前提が崩れてしまう。現地で『帰れ』と言われ、ボランティア活動がしにくくなりかねない。私たちは今まで出来たことも出来なくなってしまう。今度の法律が成立すると、世界からは『日本は戦争放棄をやめた』と見なされる。『それでもいい』と思うのなら、別にいい。『よくない』と思うなら、今こそ自分の意見を言うべきだ

ケンさんは以前、「日本が世界から批判されるべきことは、《何もしない》ことではなく《何も意見を言わない》ことだ」と指摘していた。意見表明の仕方は色々ある。例えば、104に電話すれば、地元選出の国会議員の事務所の電話番号だって、すぐわかりますヨ。

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