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松下村塾

既存メディアの現場でいちいち感じる、市民メディアの《可能性》

2005年6月6日

先々週の土曜日(5/28)から先週の土曜日(6/4)にかけて、TBSのテレビ&ラジオで、8日間でリポートを5本放送する(全部違うテーマ!)というハードスケジュールに見舞われた。(…と過去形で言っているが、実は今週土曜から来週土曜にかけての8日間で、また5本放送しなければならない。「市民メディア・アドバイザーが本業で、TVラジオは副業だ!」という叫びが空しい。)

【1】5/28『眼のツケドコロ』
以前この欄で白状した"バトル"の原因である『東京視点』の中国人メッセージ集がいよいよアップされた、という話。あの4月の"反日"デモに関する、こうした立場に特化した発信は、市民メディアならではの真骨頂発揮である。

2】5/28『サタデーずばッと』
翻訳本を出版した蓮池薫さんの近況を、柏崎の現地で取材リポート。共同会見以外の単独取材には未だに応じていない蓮池さんだが、彼の職場である大学に通う留学生達は、メディアの人間なら喉から手が出るほど欲しがりそうな、彼の個人情報を平気で知っていた。大取材網を誇るプロの報道機関より、当事者の近くにいる普通の一市民の方が、よりディープなことを知っている。

【3】5/31『筑紫哲也NEWS23』「それから三十六日」
福知山線事故に端を発したJR西日本批判報道を検証し、「過度の吊るし上げ型報道は何故起こるのか」を考察。例として挙げた浅田農産会長自殺の際には、「あの地元に市民メディアが存在すれば、まったく違う取材が出来ただろうに」という声が聞かれた。また、鈴木宗男氏の生家の前にある「鈴木踏切」の命名の由来についても、"私物化の象徴"と揶揄した一部の大手メディアより、地元住民の方がずっと正確に真相を知っていた。

【4】6/4『眼のツケドコロ』
高遠菜穂子さんのイラク・リポート。彼女は、イラク市民が撮ったビデオを、日本国内各地の講演会に集まる市民の前で上映する、という地道な情報発信活動を続けている。そこには、大手メディアには撮り得ない・流し得ない映像が満載されている。

【5】6/4『サタデーずばッと』
佐世保・小6同級生殺害事件から丸1年の、現地リポート。事件の現場となってしまった小学校のこの1年の取り組みを、我々なりに出来る限り深く取材したが、我々にはとても太刀打ち出来ない密着度でこの365日を見続けた市民メディアの存在を、今回僕は知った。

以上の赤文字の部分は、オンエア内では言及していない。これは、一昨日(6/4)鹿児島で行われた「民放労連・全国女性の集い」で、僕が基調講演の中で喋ったことである。演題は、「市民メディアの台頭ーーープロ独占の時代は終わった」。こういう話に既存メディアの人達が耳を傾けてくれるようになったこと自体、ワクワクする変化の兆しである。