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松下村塾

視点と資金とフットワークと

2005年1月13日

 僕がアドバイザーを務める市民メディアの1つである、中国人留学生を中心とした映像リポート発信グループ『東京視点』に対して、国際交流基金からの助成金交付が決まった。映像によって日中両国の市民の架け橋になろうという目的と実績が、評価されたのだ。いずれは「発信する情報が面白いから、料金を払ってでも観る」という支持によって回転していくようになることが理想だが、よちよち歩きの今は、こうした理解あるバックアップは、大変ありがたい。

  早速この資金で買ったミニDVテープをたくさん抱えて、明日からメンバーの1人である上智大学院生がインド洋大津波の被災地に旅立つ。彼女が『東京視点』のメーリング・リストに載せた企画書の一部分を、ご紹介しよう。
 「海外からの支援についての情報は多い中、タイ国内での支援活動、その独特なスタンスのあり方などはほとんど知られることはない。 ・・・中略・・・ 支援団体が去れば崩れてしまう依存的な「プロジェクト」ではなく、被災住民による日々の持続可能な営みを生み出すという視点が必要である。
  支援に入る段階から、被災者自身が集まり、将来へ向けて話し合い、住居・仕事の面で被災者自身が何を希望し、どこに住み・働きたいかを決定できるような仕組みを整えようとしているタイ人スタッフたちがいる。彼らの支援の信条と、被災住民の状況をレポートする。」

  「外国(日本)人観光客の被害」や「外国(日本)からの支援活動」が大手メディア発の情報の大部分を占めているのは、それが期待されている役割である以上、仕方ないことだ。それによって欠落する部分の視点を補うのが、市民メディアの真骨頂。大手メディアとは一味違った、いかにも『東京視点』らしいアジア目線でのリポートが帰国後発信されるのが、待ち遠しい。

帰国した彼女のラジオ『眼のツケドコロ』でのリポートは、こちら