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松下村塾

市民TV局の新しい船出

2004年4月5日

 今日から、日本の映像メディア史の“節目”になるかもしれない二つの新しい試みが、奇しくも同時に始まる。言うまでもなく、一つは既存TV界の注目の新 番組、『報道STATION』。久米宏さんの『ニュースステーション』の後を継いで、古館伊知郎さんがどんな新しい<<報道の形> >を見せてくれるのか、大いに楽しみだ。

そしてもう一つが、市民TV界で新しく開局する、『ピースボートTV』。近年、市民の手による自主的なTV放送発信の取り組みは続々生まれており、僕も少なからずそれらに関わってきたが、今回のは、今までで最も楽しみな新顔登場、と言っていい。

何しろ、持っている映像財産の質・量が並じゃない。ピースボートが今までに訪問した場所は、北朝鮮、北方領土を含む世界中に広がっており、行く先々で参加 者達は思い思いにビデオを撮ってきた。それを今までは基本的に帰国報告会や説明会などの場でちょこっと流していただけなのだから、こんなもったいないこと はない。(ごく一部の映像は、今までも既存TV局に買い上げられ、放送されてきたが。)「もっと皆に発信しよう」と彼らが自主放送立ち上げを思いついたの は、必然の流れと言える。

そうした不特定多数への発信を、いずれインターネットTVの形で本格化させるのに先立ち、まず助走として、今日(夕方神戸港出港)から始動するのは、現に ピースボートに乗船している約600~700人の参加者達を視聴者とする、小さなコミュニティTV局だ。今まで“紙”に頼っていた船内イベント等の報告や 告知を、映像取材して毎日船内スタジオで番組化し、各船室のTVで放送しよう、という試み。(各地の市民TV団体の新作発信ペースは、大体「月数本」が相 場であり、いきなり「毎日」というのは途方もなく大胆なチャレンジだ。)

あまりに大胆なので傍観していられなくなり、僕も今日からこの船に乗り込み、最初の寄港地ベトナムで下船するまで1週間、密着サポートする事にした。何事も、出だしが肝心。全力で“立会い出産”に臨みたい。